「乳児ボツリヌス症」ってどんなもの? ~はちみつに注意!~
みなさんこんにちは!今回コラムを担当させていただきます、「すず」です!よろしくお願いします☆(*^_^*)
今回は、「乳児ボツリヌス症」についてお話ししたいと思います。
☆乳児ボツリヌス症とは?☆
乳児ボツリヌス症という病気。名前だけは知ってる!という方もおられるのではないでしょうか?
実は、1歳未満のこどもにとって、とても恐ろしい病気なのです(@_@;)
乳児ボツリヌス症の原因は、ボツリヌス菌です。この菌が体内に入ると、毒素を作り始めます。
毒素が体に害を与え、
便秘、筋力の低下、哺乳力の低下、泣き声が小さくなる
などの症状を引き起こします。
残念なことに、乳児ボツリヌス症によって死に至るケースも報告されており、注意喚起されているのが現状です。
☆ボツリヌス菌って何?☆
そもそもボツリヌス菌は、土壌や海、川の泥の中などに生息している身近な菌です。特徴として、「芽胞を作る」ことと、「酸素の少ない場所を好む」ことがあります。
芽胞とは、環境が悪くなると菌が作り出す非常に耐久力の高いカプセルのようなものです。
まわりの環境が良くなると、この芽胞から菌が再び目を覚まし(発芽)、増殖を始めるんです。植物の種や卵をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
芽胞は普通の菌と違って、調理加熱では殺菌することができません。(120℃で4分間以上加熱しないと死滅しません。)
加熱したからといって油断できないのがこのボツリヌス菌なのです。
また、ボツリヌス菌は酸素の少ない場所が大好きです。たとえば、腸の中。
ボツリヌス菌を食べてしまうと、消化・吸収の途中で腸へと送られます。するとボツリヌス菌にとってはすごくいい環境なので、芽胞から菌が目覚めてしまうんです!Σ(@_@;)
するとどんどん増殖し、毒素を作り出していきます。
☆乳児ボツリヌス症を防ぐためには?☆
乳児ボツリヌス症を引き起こす原因は、ボツリヌス菌やその芽胞を、こどもたちの体内に入れてしまうことにあります。
では、どこから入ってくるのでしょう?
答えは「はちみつ」です。
えっ!と思われましたか?(~o~) はちみつって健康によさそうなイメージ、ありますよね?
もちろんはちみつは栄養価が高く、美味しい食品ですが、乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性が高いことから、1歳未満のこどもには与えてはいけないんです。
もちろん、自然環境に普通に存在する菌なので、はちみつを食べていなくても乳児ボツリヌス症を発症した例もあります。(井戸水や自家製の瓶詰食品、開封後放置したレトルト食品などが原因)
しかし、「はちみつ」と「乳児ボツリヌス症」の間には明らかに関連があることが分かっているため、1歳未満のこどもには、はちみつを与えないことが重要です。
またはちみつだけでなく、黒糖も乳児ボツリヌス症の原因となりやすい食品ですので、与えないことがベストです<(`^´)>
☆1歳になったらはちみつを食べても大丈夫?☆
乳児がボツリヌス症を発症しやすい原因は、腸内環境の菌が整っていないからなんです。
腸内は、様々な菌がバランスを保ちながら、共存しています。これを、「腸内フローラ」と呼びます。
この腸内の菌のバランスが整っていない乳児期は、ボツリヌス菌に対抗する力が弱いままです。満1歳頃になるとこの腸内環境が整ってくるので、はちみつを食べても問題ないとされています。
乳児ボツリヌス症についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
はちみつはとても美味しい食品ですが、満1歳をすぎてから!ということを忘れないでくださいね(*^_^*)
<参考>厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html
消費者庁 ハチミツによる乳児ボツリヌス症
国立感染症研究所 ボツリヌス症について
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/7275-botulinum-intro.html
日本小児科医会 公衆衛生委員会 乳児ボツリヌス症について
厚生労働省 蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000161263.pdf